こんにちは。
兵庫県・東加古川のorganic cafe & market「ETHOS(エトス)」です。
今回は「便」について解説していきます。
突然、便!と言われても、正直びっくりしてしまうでしょうが、便を確認することは、人間の体調を正確に判断するとても有効な手段です。
子供を出産すると、子供の健康状態を便で判断するママは多いですよね。
「今日のうんちは緩いな〜」とか、「うんちが白っぽい」または「赤っぽいぞ!」など。
ママになると子供の便に、とても敏感になってしまうほど、便は人間の健康状態を表します。
ということで今回は、便の色や量、硬さやニオイなどで健康状態を確認する方法をご紹介しましょう。
また、便の色で疑われる病気についてもお伝えしていますので、ぜひ健康管理にお役立てください。
便は、消化管をゆっくりと進み、必要な栄養素を吸収した後の残りものです。
この便がどのような状態かによって、現在の体調を知ることができます。
以下で、便の色や量、硬さ、ニオイで分かる体調の変化についてまとめました。
①黄褐色
黄褐色(おうかっしょく)の便は、正常な便の色です。
黄色みを帯びた茶色っぽい便のことを言います。
この色の便で、硬すぎず、緩すぎなかれば健康状態は問題ないと判断できます。
②黄色
黄色い便もよくあります。そのため、健康状態は良好と判断することもできるでしょう。
ただし、黄色かつ水分多めの便は、下痢、又は脂が多く含まれる「脂肪便」の可能性もあります。
もし、脂肪便の場合は腸や膵臓の機能が低下していることが考えられるため注意しましょう。
③茶色〜茶褐色
茶色〜茶褐色の便も正常な便の色です。ただし、最終的には形や硬さ、ニオイを含めて判断しましょう。
④濃褐色
濃褐色(のうかっしょく)の便は、濃い茶色の便です。
腸内滞在時間が長い「便秘」の時によく見られます。
また、肉類をよく食べた時にも出やすい便です。
⑤黒色
黒い便は「タール便」とも呼ばれます。全てがタール便というわけではありませんが、黒っぽい便は病気の可能性もあるので注意が必要です。特に、イカ墨のようなドロッとした真っ黒い便は、胃腸のSOSサインだと考えましょう。
⑥緑色
母乳を飲む赤ちゃんの時は、緑色の便がよくでます。
大人になってからの緑色の便は、食べた物が消化不良で出てきた可能性があり、胃腸の働きが弱くなっているのかもしれません。
⑦赤色
「便が赤い」ということは、3つの理由が考えられます。
・赤い食べ物が消化不良で出てきた
・便が赤くなる薬を飲んだ
・便に血が混じっている
トマトの皮やニンジン、パプリカなどは消化しにくいので、そのまま便として出てくることがあります。
また、便に赤っぽい筋や粒、皮のようなものが混じっている場合で、1〜2日前に薬を服用した方は、薬が原因の可能性もあるでしょう。
上記2つに当てはまらず、便に血のようなものが混じっている場合は、直腸や大腸、肛門につながるどこかで出血しているかもしれません。
血便は深刻な病気の可能性があるので、早めに病院で受診しましょう!
⑧灰色
灰色の便は、色を作る色素(胆汁色素)の流れが悪いために出る便です。普段はあまり出ませんが、バリウムを飲むと灰色の便が出ます。また、胆石や胆嚢癌、肝臓がん、腸結核、膵臓疾患が疑われることもあります。
排便の量は人それぞれ違いますが、普通は1日に1〜2回の排便があるのが正常です。
もし、1週間に3回程度しか排便がないという方は「便秘」がちと言えます。
また、1日3回以上排便がある方は「下痢気味」で、腸内環境が良くない可能性があります。
どちらにしても、お腹が張って痛くなったり、不快な思いをするのであれば専門医に相談するか、食生活などの改善をした方が良いでしょう。
便の硬さや形も体調によって日々変わります。
健康な便は「黄褐色のバナナ状で、ニオイもなくスルッと出る柔らかい便」と言われています。
以下で、色々ある便の硬さや形をご紹介しましょう。
・ウサギの糞みたいな便
コロコロとした、ウサギの糞みたいな便が出る場合は、腸内が乾燥して便秘になっている可能性があります。
腸が乾燥すると、硬くて出にくい便になるので、無理やり力んで硬くてコロコロした便が出るのです。
また、力み過ぎて切れ痔などになることも。
コロコロした便が多い時は、水分を多めに取るようにしましょう。
・ドロッとした、水分多めの便
水分の多い便は「下痢」や「軟便」の状態と言えます。
これは、腸の働きに異常が起きた場合や腸内環境が乱れた時に起こる症状です。
水分の取り過ぎ、冷たい物の飲み過ぎ、食べ過ぎ、食生活の乱れ、刺激物の取り過ぎ、などが原因で起こることがあります。
また、お腹を冷やすことや、ストレスがかかった時にも、すぐにお腹が緩くなり下痢や軟便になる方もいるので注意しましょう。
元々の便臭は仕方ありませんが、よりニオイの強い悪臭があるときは、腸内環境が悪く、悪玉菌が増えていることが原因の一つです。
最近は日本人の食生活も欧米化が進み、肉や油っこいものを食べる習慣が増えました。そのため、悪玉菌の餌となるタンパク質が過剰となり悪玉菌が増え、ニオイが強くなるのです。
また、便秘などで腸内滞在時間が長くなる時や、強いストレスを感じている時、過敏性腸症候群などの消化器系の病気の時も便のニオイは強くなります。
まずは規則正しい生活、食物繊維と水分を適度に摂取する、ストレスを溜めないことで便のニオイを改善してみましょう。
食べた物が便になるまでは、約24時間から72時間かかると言われています。
消化管の中をゆっくり移動し、必要な栄養素が吸収され、残ったものが便として排出されるのです。
〈食べ物が便になるまでの流れ〉
①口:食べ物を細かくする
②食道:唾液と一緒に食べた物を運ぶ
③胃:3〜4時間かけてドロドロに食べた物を消化する
④小腸:約8時間かけて必要な栄養素を吸収する
⑤大腸:水分を吸収し、便を溜めておく
⑥直腸:排便する
以上が、食べた物が便になる流れです。
大腸から直腸あたりで便が溜まると脳に伝わり、「便意」を感じ、その後に便が排出されます。
この過程がうまくいかないと、下痢になったり、うまく栄養が吸収できない状態になります。
腸内環境を良くする、ストレスを溜めない、食物繊維と水分を多く取るなどして、理想的な排便を行いましょう。
今回は、便の色や量、硬さやニオイで体調を確認する方法をご紹介してきました。
あなたの便はどうでしたか?
便をまじまじと見る機会は少ないですが、自身の健康チェックだと考え、気にして見てみると意外な発見に繋がるかもしれませんよ。
もし気になる便の色が続いている場合は、早めに病院を受診してくださいね。